水道施設を使った発電所?DK-Powerが取り組む環境新事業

 はじめまして、ダイキン人事採用グループでインターンシップをしている宮内といいます!
 ダイキンと聞くと皆さんどのようなイメージを持っていますか?
私はインターンを始めるまで、エアコンや空気清浄機のような家電の販売をしているメーカーで、グローバルな事業展開をしている企業、という程度のイメージしか持っていませんでした。
 しかし、ダイキンの中で活動していくと新しい事業への向き合い方や新技術の開発、社員教育の充実など、外から見るだけではわからない、人を基軸としたイノベーションや挑戦の風土を感じるようになりました。

 ダイキンでどんなチャレンジが行われているのか、外部からはわかりづらいダイキンの魅力や思いを、ダイキンの社内広報雑誌『DAIKIN TIMES』の記事を読んでみた感想を中心に、ついこの前まで大学生だった私の目を通して紹介していけたらと思います。

 初となる今回紹介したいのは、温室効果ガス排出実質ゼロに向けた挑戦としてダイキンで進められている、カーボンニュートラルの時代での環境新事業についての記事です。その中でも一例としてDK-Powerで行われているマイクロ水力発電について紹介したいと思います。

目次
1. DK-Powerってどんな会社?
2. マイクロ水力発電ってなに?
3. DK-Powerのシェア拡大
4. 今後の新規事業の展望

1.DK-Powerってどんな会社?


 今回私が読んだ、『DAIKIN TIMES』vol.290では、「温室効果ガス排出 ~実質ゼロに向けた各現場の挑戦~」と題して様々なダイキンの「カーボンニュートラルへの挑戦」が社内事例として紹介されていました。私は、それらの中でも環境新事業のページで紹介されている「街の水道施設が発電所に!マイクロ水力発電で地産地消の”創エネ”を実現」というタイトルを見て、水道施設を発電所にできるの!? “創エネ”なんて環境問題対策の一つでビジネスになるの??という疑問と驚きをもち、今回noteで紹介したいなと思います。

 マイクロ水力発電システムの普及を行っているのはダイキンから生まれたDK-Powerという企業です。DK-Powerについて調べてみると、2015年にダイキンの技術開発拠点として設立されたTIC(テクノロジー・イノベーションセンター)、ここでの研究テーマをスタートとして初めて事業化されたスタートアップ企業で、2017年6月に社内ベンチャーとして設立されたそうです。

2.マイクロ水力発電ってなに?


 じゃあ、DK-Powerで進められている事業の、水道施設を発電所にするというマイクロ水力発電って、これまでの水力発電と何が違うのだろうと思って調べると、ダムを作って行われる一般的な水力発電と違って、出力100kw以下の小規模な水力発電のことを指し、水流のエネルギーを活用した発電のことのようです。
 DK-Powerでは水道管に流れる水流の落差を利用して水車を回転させ、電力を生み出すマイクロ水力発電システムで発電をしています。従来では発電できる電力量に対し導入費用がかさみ、採算がとりにくかったマイクロ水力発電領域でのビジネス展開ですが、ダイキンの得意とするエアコンのモーター技術やインバータ技術を生かした高効率の発電機を利用することで採算がとれるようになったそうです。


 主な導入先は各自治体の水道施設でDK-Powerは導入とメンテナンスの負担をして、売電した利益の一部も自治体へと還元するため、自治体はコストをかけずに“創エネ”が実現できます。一方、DK-Powerは売電して残りの利益と発電設備のリースによる販売利益を得ています。自治体とDK-Powerどちらもがwin-winの関係性を作れるビジネスモデルとして成立していて驚かされました。
DK-Powerのマイクロ水力発電システムでは、水道施設や菅水路といった、既存の施設と水流を活用したエネルギーの創出ができるので、新しい大規模開発の必要がなく、「いまあるものを使う」ことでコストの節約ができます。

3.DK-Powerの現在と協創への思い


 そんなDK-Powerの現在地が気になり読み進めていくと、マイクロ水力発電の事業規模は先ほど述べたように、日本の各地自治体の管理する水道施設にて自治体の初期負担をなくすことで、導入しやすいというメリットも後押ししていて、2022年現在、46か所で導入が行われており、全国の水道施設における200kW未満のFIT認定水力発電所で70%を超えるシェア率を誇っています。
 また、2024年には新エネルギーの導入を促進、普及する目的で表彰される、新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞」を受賞するなど、その躍進も注目されてきています。

 そんなDK-Powerの現在について、営業を担当する西垣祐幸さんは「自治体との交渉で重要なのは、”共に街の未来を創る”という想いを共有すること『私の街にはダイキンの発電所があります』と言っていただけるように地産地消の創エネ事業により注力していきたい」と記事内で協創への思いを語っていました。この自治体とDK-Powerともに連携して価値を創り出していくというような協創の活動は、ダイキンでも大切にされていて、その価値観がDK-Powerでも共有されていることがわかります。

4.これからのマイクロ水力発電


 記事内では今後のDK-Powerがマイクロ水力発電で目指す未来についても書かれていました。「世界中に”ダイキンのマイクロ水力発電”という新たなCSVに取り組みたい」という目標を掲げていたのは先述の西垣さん。共通価値の創造のためには経済的な価値と社会的な価値の両立が必要不可欠ですが、マイクロ水力発電では環境負荷の少ない発電方法で事業を拡大していくことができるため、今後社会的な注目度が増していく中で、事業をグローバルまで拡大していければ達成もできるのではないかな、と思わされました。

 また、取締役社長の松浦哲哉さんは「マイクロ水力発電は、カーボンニュートラル実現に向けて大きなポテンシャルのある事業です。ダイキンにとって新たな挑戦でもある”創エネ”事業を、地域の皆さんと共に挑戦していきたい。まずは2025年、マイクロ水力発電を100カ所以上に拡大する。これが目標です」と抱負を語っていました。

おわりに


 ダイキンの目指す「カーボンニュートラルへの挑戦」の中で、今回紹介したDK-Powerとマイクロ水力発電は、空調機メーカーとしてのダイキンの研究や技術力が元となって地球環境への貢献を行っていました。
 
 私もまだまだ知らないことだらけですが、この記事を通して、ダイキンの技術力の高さや挑戦する姿勢というダイキンらしさが少しでも伝わると嬉しいです!


株式会社 DK-Power | マイクロ水力発電について